パールグラスが、前と違う。色が濃い緑から黄緑になり、丸い茂みが細長い束になり、根元がスカスカになった。最初は夏バテだと思っていました。それもあったと思います。ただ、もうひとつ、自分のやり方が間違っていました。
7ヶ月間、私がパールグラスにやっていたのは「伸びたら上を切って捨てる」だけでした。調べてみると、それはピンチカットという方法で、それだけを繰り返すと根元が古くなっていく。そして、切った先端を植え直す差し戻しという方法を、私は一度もしていませんでした。
しかも、その差し戻しを、30年前に熱帯魚店の店長さんがやっていたのを見ていたのです。この記事は、それを思い出すまでの話です。
結論:切って捨てるだけでは、根元が古くなる
うちがやっていたこと伸びた上部を切って、切った新芽を捨てる。古い茎はそのまま残す。これを7ヶ月繰り返しました(ピンチカット)
その結果上には新芽が出続けるものの、根元は葉がなくなり、古い茎と根が絡まってスカスカに。色も濃い緑から黄緑に
知ったこと切った元気な先端を植え直し、古い根元を捨てる「差し戻し」で株を更新する方法がある。次に伸びたら、それをやります
気づいたきっかけ:色と形が、前と違う

ある日、水槽を眺めていて「あれ?」と思いました。パールグラスの色が薄い。形も違う。以前は丸くこんもりした茂みだったのに、今は細長い茎が束になって、上のほうにだけ葉がついている。
夏の高水温で弱ったのは間違いありません。気泡も止まりました。でも、それだけでは説明がつかない気がしました。形が違いすぎる。何かやり方を間違えている。そう思って、調べ始めました。
30年前、店長さんが「もったいないこと」をしていた
中学生の頃、通っていた熱帯魚店で、店長さんがパールグラスをごっそり切って、根元ごと取り除いているのを見ました。あんなにきれいに茂っていたのに、根こそぎ。「なんてもったいないことをするんだ」と、子供の私は思いました。
ところが店長さんは、切った先端のきれいな部分だけを、また底床に植え直していました。数週間後、その水槽はまた気泡だらけの茂みに戻っていた。「すげえな」と思ったのを、はっきり覚えています。
あれが何だったのか、30年間、考えたことがありませんでした。今回調べて、ようやく名前が分かりました。あれは「差し戻し」でした。
うちがやっていたこと:切って、捨てる
うちのパールグラスは、この水槽では非常によく伸びました。最初のボトルアクアリウムでは溶かした草なので、伸びるのが嬉しくて、伸びるたびに刈っていました。

感覚としては、髪の毛を切るのと同じでした。伸びたから切る。切ったものは捨てる。「今日もごっそり刈ったった」と満足して、バケツの中身をそのまま処分する。7ヶ月、ずっとそうでした。
今にして思えば、バケツに捨てていたのは、一番元気な新芽でした。そして水槽に残していたのは、一番古い茎でした。やることが逆でした。
ピンチカットと差し戻しの違い
調べてみると、水草のトリミングには大きく2つの考え方があるようです。

| ピンチカット | 差し戻し |
|---|---|
| 伸びた先端を切る | 伸びた先端を切る |
| 古い茎は残す。切り口から脇芽が出て密になる | 古い根元は抜いて捨てる |
| 切った先端は不要(捨てる) | 切った先端を植え直す。これが新しい株になる |
| 手軽。ただし繰り返すと根元が古くなる | 手間はかかるが、株が若返る |
ピンチカットが間違いというわけではないようです。古い茎を残して切ると、切り口の下から脇芽が増えて、最初はこんもり密になる。うちのパールグラスも、最初の数ヶ月はそうでした。
ただ、それだけを何度も繰り返すと、上部ばかり密になって下まで光が届かず、根元の葉が落ち、古い茎が溜まっていく。調べてみると、そうなった段階で差し戻しをして株を更新するのが普通のようです。「普段はピンチカット、根元が傷んできたら差し戻し」それが両方を使い分ける形だと理解しました。うちは片方しかやっていなかった。
そして店長さんがやっていたのは、この差し戻しでした。ごっそり抜いていたのは古い根元で、植え直していたのは元気な先端。もったいないどころか、一番大事なものを残していたのです。
今のパールグラスの中身
調べて理解したあとで、あらためて自分の水槽を近くで見ました。


上から見ると、黄緑の新芽が広がって茂っているように見えます。でも横から覗くと、中は暗くて、葉のない茎がぎっしり。茎の途中から出た白い根が、行き場をなくして絡まっている。7ヶ月分の古い茎が、全部残っていました。
この白い根、最初はカビかと思って焦りました。調べてみると、有茎草は茎の節から根を出すもので、光が届かない古い茎ではこれが目立つようです。病気ではありませんが、根元が弱っているサインではあると思います。
なぜ7ヶ月気づかなかったか
理由は2つあります。
ひとつは、上から見れば茂っていたから。新芽は出続けていたので、「元気だ」と思い込んでいました。根元を覗いたことがなかった。
もうひとつは、調べ方でした。「パールグラス トリミング」で検索して出てくる情報は、商品を売りたいページが多くて、切り方の考え方まで書いてあるものが少なかった。動画で丁寧に解説している方はいましたが、文章で「ピンチカットと差し戻しは違う」と教えてくれる記事には、なかなか出会えませんでした。だからこの記事を書いています。7ヶ月前の自分が読みたかった記事です。
今の状態と、次にやること

先日、グロッソに光を通すために前方に倒れたパールグラスを刈ったばかりです。つまり今、差し戻しに使える元気な先端が、水槽にありません。知ったのに、できない。正直、もどかしい。新芽が伸びるまで、待つしかありません。
次に新芽がしっかり伸びたら、今度は捨てません。元気な先端を切って、古い根元を抜いて、先端を植え直す。30年前に店長さんがやっていたことを、やってみます。それは別の記事にします。
「今日もごっそり刈ったった」
トリミングのたびに、私は満足していました。バケツにたまった新芽を見て、「今日もごっそり刈ったった」と。捨てていたのが一番元気な部分だと、思いもしませんでした。
次のトリミングでは、言い方を変えようと思います。「今日も一軍の苗を大量確保したった」。同じ作業でも、捨てるか植えるかで、意味がまったく違います。
よくある質問
ピンチカットと差し戻しは何が違いますか?
どちらも伸びた先端を切りますが、ピンチカットは古い茎を残して脇芽を出させる方法、差し戻しは切った先端を植え直して古い根元を捨てる方法です。うちは7ヶ月ピンチカットだけをして、切った先端を捨てていました。
水草が長く伸びたら、どこで切ればいいですか?
調べてみると、好みの高さより少し低い位置で切り、切った先端のきれいな部分を植え直すのが基本のようです。うちはこれまで「伸びたぶんを適当に切る」だけだったので、次は意識して切ります。実際にやってみたら、そのときに書きます。
差し戻しのやり方を教えてください
まだやっていないので、実体験からは書けません。調べた限りでは、元気な先端を切って、古い根元を抜いて、先端を底床に植え直す、という流れのようです。うちが実際にやった記録は、別の記事にします。
茎から出ている白いものはカビですか?
うちも最初はカビかと思いましたが、茎の節から出た根でした。調べてみると有茎草ではよくあることで、病気ではないようです。ただ、光の届かない古い茎に目立つので、根元が弱っているサインとは言えると思います。
ピンチカットだけでも育ちますか?
うちは7ヶ月それだけで、最初の数ヶ月はよく茂りました。ただ続けるうちに根元が古くなり、色も形も変わりました。育ちはしますが、どこかで差し戻しをして株を更新しないと、うちのようになると思います。
30年越しに、店長さんの答え合わせ
中学生の私が「もったいない」と思ったあの光景は、一番丁寧な世話でした。古いものを捨てて、元気なものを残す。店長さんは、それを当たり前にやっていた。
私は逆をやっていました。元気なものを捨てて、古いものを残す。7ヶ月かけて、パールグラスの色と形がそれを教えてくれました。
次に伸びたら、店長さんと同じことをします。30年遅れの、答え合わせです。
※うちの水槽環境は運営者情報で公開しています。パールグラスがこの水槽に来るまでの話はパールグラスが溶ける原因と増やし方に、気泡が止まった夏の話は水草から気泡が出なくなったに、前方に倒れたパールグラスを刈った作業は光量を確保するために流木・照明・水草を動かした日に書いています。


