パールグラスが溶ける原因と増やし方|組織培養カップの落とし穴とCO2なしの限界

パールグラスが溶ける原因と増やし方|組織培養カップの落とし穴とCO2なしの限界 水草

パールグラスが、溶けて消えました。CO2を入れていたのに、です。

私はパールグラスとグロッソスティグマが好きです。中学生の頃、通い詰めていた熱帯魚店の水草水槽にこの2つがあって、めちゃくちゃ綺麗だったからです。特にパールグラスは、CO2を添加すると葉先から気泡が立ちのぼっていて、店の前でずっと見ていた記憶があります。

27年ぶりに熱帯魚を再開して、真っ先に植えたのがパールグラスでした。1回目は溶けて跡形もなく消え、2回目は増えすぎてトリミングに追われています。同じ人間が同じ水草を植えて、結果が真逆になった記録です。

結論:溶ける原因は、たぶん1つじゃない

溶けた水槽組織培養カップのゼリーを取らずに植えた/照明が弱い/底床が砂利系/他の水草に埋もれて光が届かない

増えた水槽ゼリーを落として植えた/照明2灯/栄養系ソイル/CO2が確実に効いている

うちの場合、溶けた水槽と増えた水槽では条件が4つも違っていました。「CO2さえあれば」「照明さえ強ければ」という単純な話ではなかった、というのが正直な実感です。順に書きます。

組織培養カップの落とし穴:ゼリーを知らなかった

最初の失敗は、植える前から始まっていました。

昔は、店の水槽で育っているパールグラスを、その場でカットして売ってもらうのが普通でした。ところが今、店で売られていたのは、透明なカップにゼリー状のものと一緒に入った「苗」です。組織培養カップというそうです。

水槽でゆらゆらしているパールグラスと、カップの中の小さな苗があまりに違うので、店員さんに「これ、同じものですか?」と聞いたほどです。「同じですよ。育ったら水槽みたいになります」とのことでした。

問題はここからです。私はあのゼリーを、何かの肥料だと思っていました。軽く水道水にくぐらせて、間引いて、ほぼそのまま植えたのです。

後から知りました。正しくは、根や葉に付いたゼリー状の培地を、水の中で指で優しくこすりながら完全に洗い流してから植えるのだそうです。培地が残ったままだと、水中で腐敗やカビの原因になり得ます。

買ってきた水草、植える前に

組織培養カップの水草は、ゼリー状の培地を完全に洗い流してから植えてください。昔の「水槽からカット」の感覚で持ち帰ると、この工程の存在自体を知らないまま植えることになります。私がそうでした。

1回目:ボトルアクアリウムで、溶けて消えた

水草がぎっしり詰まったボトルアクアリウム
当時のボトル。付属セットの水草約10種で、すでに満員でした。

最初に植えたのは、4.5Lのボトルアクアリウムです。すでにセット付属の水草約10種がてんこ盛りで、パールグラスを植えるスペースも、照明の当たる場所も、ほとんど残っていませんでした。

ボトルアクアリウムに入れたCO2拡散筒とボンベ
CO2は入れていました。ただ、器に対して器具が大きすぎて、効いていたのかは分かりません。

CO2は入れていました。テトラのCO2キットです。ただし60cm水槽用の拡散筒を4.5Lのボトルに沈めていた状態で、正直、効いていたのかどうか分かりません。この筒については、カージナルテトラが中に入り込んで失神しかけた事件も含めて別の記事に書きました。

ボトルアクアリウムの全景
ボトルは緑豊かに見えますが、この中でパールグラスだけが静かに消えていきました。

結果、パールグラスは少しずつ元気がなくなり、気づいたときには跡形もなく消えていました。底床も水草用のソイルではなく砂利系。ゼリー、光量、底床、過密。どれが致命傷だったのかは分かりません。たぶん、全部です。

CO2なしでパールグラスは育つのか

「パールグラス CO2なし」で検索して来られた方に、正直に書きます。

うちは2回ともCO2を入れていました。CO2なしで育てた経験はありません。ですから「なしでも育ちます」とも「無理です」とも、体験としては言えません。

ただ、体験から言えることが1つあります。CO2を入れていても、他の条件が悪ければ溶けます。うちのボトルがそうでした。CO2は条件の1つであって、切り札ではありませんでした。

逆に言えば、CO2なしで挑戦する場合、照明・底床・植え方といった他の条件を全部整えることが前提になるはずです。CO2ありですら、そこを外して枯らした人間からの実感です。

2回目:36cm水槽で、今度は増えた

ボトルの限界を感じて、大阪の大型アクアリウム店で水槽一式を買い直しました。「昔やっていたんですが、今は浦島太郎状態で」と店長さんに伝えて、言われるがままに揃えたのが今の環境です。

照明は「1灯では弱い」と言われた

36cm水槽の照明2灯体制。アーム式LEDとフラットLED
現在の2灯体制。上がセット付属のアーム式、黒いバーが買い足したフラットLEDです。

水槽セットには丸いアーム式のLEDが1灯付いていました。ところが店長さん曰く、「パールグラスとグロッソをやるなら、この照明だけだと弱い」。それで2灯目(コトブキ フラットLED SS)を買い足しました。

ちなみにこのとき、「照明って2〜3か月に1回くらい交換するんですか?」と聞いたら、「今はそういうの、ないですね……」と苦笑されました。蛍光灯の時代の常識でした。手に取ったLEDのあまりの軽さに、27年の長さを実感しました。

底床は栄養系ソイル、CO2は確実に効く器具に

底床はADAのアクアソイル・アマゾニアVer.2。CO2も、水槽サイズに合った添加システム(ADA CO2アドバンスシステム-フォレスト)に替えました。ボトル時代との違いは、「入れている」ではなく「効いている」ことです。

そして、気泡が出た

パールグラスの葉先に付いた光合成の気泡
葉先に付いた気泡。中学生の頃、店の水槽で見て感動したものが、自分の水槽に出ました。

環境を整えたパールグラスは、今度は溶けませんでした。それどころか、葉先にあの気泡が付くようになりました。中学生の頃、店の水槽の前から動けなくなったやつです。27年経って、自分の水槽で見られるとは思いませんでした。

パールグラスの増やし方:うちでやったこと

増やし方といっても、特別なことはしていません。条件が揃ったら、勝手に増えました。整理すると、うちでやったのはこれだけです。

植え方 ゼリーを落とし、数本ずつの束にして、間隔を空けてソイルに差す
照明 2灯。光が全体に届くようにする
底床 栄養系ソイル(うちはADAアマゾニアVer.2)
CO2 水槽サイズに合った器具で添加
伸びたら カットして、切った側を植え直すとそこからまた茂る(差し戻し)

逆に、この条件が欠けていたボトルでは1本も残りませんでした。増やすコツというより、溶かさない条件を揃えることが、そのまま増やし方だったというのが実感です。

パールグラスのトリミング:山型を目指して、無理だった

増えたら増えたで、次の問題が来ます。形です。

もさもさと丸く茂ったパールグラスを、レイアウトとしてかっこいい「山型」にしたい。AIに相談したところ、こんな図が出てきました。

AIが生成したパールグラスの山型レイアウトの理想図
AIが生成した理想の水槽。実写ではありません。あまりに自然だったので「これに近づけられるかも」と思ってしまいました。
AIが提案したパールグラスの山型トリミング手順の図解
トリミング手順の図解も出てきました。カーブハサミで斜面を「彫刻」するのだそうです。

手順どおりに、斜めにハサミを入れたつもりでした。結果がこちらです。

トリミング後の実際のパールグラス。山型にはなっていない
トリミング後の実際。山……ではない何かになりました。

そんなの無理じゃー、となりました。

水中でカーブハサミを操って斜面を彫刻するのは、図で見るのと実際にやるのとでは大違いです。切った端から葉が舞い、狙った角度には切れず、気づけばただの「短くなった茂み」です。理想図と現実の差は、うちのサイトの名物としてこのまま残しておきます。

ただ、形はさておき、トリミング自体は必要です。伸ばしっぱなしにすると下のほうに光が届かず、そこから元気がなくなっていくからです。切って、舞った葉を網ですくって、切った分は差し戻す。形の彫刻は、いつかリベンジします。

パールグラスのレイアウト:うちの現在地

レイアウトとしては、流木の後ろにパールグラスの茂み、前景にグロッソスティグマ、という構図にしています。グロッソも同じ環境で一緒に育てていますが、この夏は暑さのせいか、どちらも育ちがやや鈍っています。このあたりは、また別の記事で書きます。

山型は作れませんでしたが、丸い茂みに気泡が付いて、その間をカージナルテトラが泳ぐ。中学生の頃に店で見ていた景色に、形は違えど近づいてきた気がします。

よくある質問

パールグラスはCO2なしでも育ちますか?

うちは2回ともCO2ありなので、体験としては答えられません。ただ、CO2を入れていても他の条件(光量・底床・植え方)が悪ければ溶けました。CO2なしで挑戦するなら、他の条件を全部整えることが前提になると思います。

組織培養カップのゼリーは、どこまで洗えばいいですか?

水の中で、根や葉についたゼリーを指で優しくこすりながら、完全に落としてください。私は「軽く水にくぐらせただけ」で植えて失敗しました。ゼリーが残ると水中で腐敗やカビの原因になり得ます。

溶け始めたパールグラスは復活しますか?

うちのボトルでは復活せず、跡形もなく消えました。溶け始めてから環境を変えるより、元気な茎が残っているうちに条件の良い場所へ植え直すほうが、可能性はあると思います。

トリミングで切った分は捨てるしかないですか?

捨てなくて大丈夫です。切った側をソイルに差し直すと、そこからまた茂ります(差し戻し)。うちのパールグラスが増えたのは、ほぼこの差し戻しのおかげです。

グロッソスティグマと一緒に植えられますか?

うちでは同じ水槽で育てています。前景にグロッソ、中景〜後景にパールグラスという配置です。求める環境(強めの光・ソイル・CO2)が近いので、条件が揃えば両方いけます。

まとめ:溶かした側から言えること

溶けたボトル 増えた36cm水槽
ゼリーをほぼ付けたまま植えた ゼリーを落として植えた
照明1灯(6W)+他の水草の影 照明2灯で全体に光
砂利系の底床 栄養系ソイル
CO2は入れていたが効いたか不明 水槽に合った器具で確実に添加

パールグラスが溶ける原因は、1つに絞れないことが多いはずです。うちのように、複数の条件が同時に悪い場合があるからです。逆に条件を揃えたら、特別なことをしなくても増えました。気泡が見たくて植える水草ですから、条件だけは揃えてあげてください。27年越しに気泡を見た人間からのお願いです。

※ボトルアクアリウム時代の記録はボトルアクアリウムはかわいそう?に、当時のカージナルテトラの話は立ち泳ぎの看病記録に書いています。運営者情報で飼育環境を公開しています。

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この記事を書いた人

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秋山 裕史(あきやま ひろし)

兵庫県明石市在住。『夫婦、熱帯魚まみれ』運営者。

中学・高校時代に熱帯魚にのめり込み、実家の120cm水槽でディスカス、スポッテッドガー、ピラニア、エンゼルフィッシュなどを飼育。地元の熱帯魚店に入り浸り、業務用のCO2ボンベを自転車で運んでいたような中学生でした。

その後27年のブランクを経て、2025年10月に再開。きっかけは妻が買ってきた4.5Lのボトルアクアリウムでした。現在は36cm水槽(GEX AQUA-U WIDE 2.0/ADAアマゾニアVer.2/CO2添加)で、カージナルテトラ、ネオンテトラ、パンダコリドラス、ミナミヌマエビと水草を育てています。

カージナルテトラの縦泳ぎ、夏場の高水温、コケとの格闘。うまくいかなかった話を隠さず書くことを、このサイトの方針にしています。

本業はWEB制作・SEO(実務20年以上)。2018年より温泉・リゾートバイトの専門メディア『運命のリゾートバイトブログ』を運営し、海外メディア(Amateur Traveler、Dave's Travel Corner)への寄稿実績があります。

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