うちのウィローモスは、買っていません。植えてもいません。糸で巻いてもいません。ある日、流木についていました。
最初は「なんか緑のものがついてるな」程度でした。それが数ヶ月後、誰の手も借りずに流木へ活着し、モシャモシャと茂り、今ではトリミングが必要なほど増えています。
世の中には「ウィローモスの増やし方」「活着のさせ方」の記事がたくさんあります。この記事は、その逆です。増やし方も育て方も何もしていないのに増えた、うちの水槽の記録です。月ごとの写真で、活着の経過をお見せします。
結論:何もしなくても、環境が合えば勝手に増える
やったこと何もしていません。巻きつけ・糸・接着・肥料、すべてなし。伸びたら刈る、それだけです
経過水槽立ち上げから約3ヶ月で「何かついてる」と気づき、そこから約2ヶ月で誰が見てもウィローモスに。月ごとの写真で経過を記録できています
注意点放置で増える=増えすぎるということでもあります。うちはミナミヌマエビの大繁殖を経験しているので、茂りすぎないよう定期的に刈っています
流木にウィローモスが活着するまで(写真の時系列)
幸い、うちは水槽の写真をこまめに撮っていたので、モスの出現から現在までを写真で追えます。まず、何もいなかった頃です。






時系列をまとめるとこうなります。1月に水槽を立ち上げ、約3ヶ月後の4月に「何かついてる」と気づき、そこから2ヶ月で誰が見てもウィローモスになりました。調べてみると、糸で巻いて活着させる場合の目安は2週間〜1ヶ月ほどとされています。うちは巻いていないので条件が違いますが、「いつの間にか付いて、2〜3ヶ月で立派になる」というのが、放置活着の実測値です。
どこから来たのか(犯人の推理)

ここが一番の謎です。というのも、この流木は今年の1月、36cm水槽用に新しく買ったものだからです。店長さんに2つの流木を組んでもらい、家で鍋でぐつぐつ煮込んでアク抜きまでしています。煮た流木から、水草が生えたことになります。
考えられる説は2つあります。
説①:過去のウィローモスの切れ端が、水槽内で漂着した。実はうちには、ウィローモスとの因縁があります。ボトルアクアリウム時代、妻が買った水草ビギナーセットや、メルカリのおまけでウィローモスが2回うちに来ています(この話は後ほど)。目に見えない切れ端がどこかで生き延びて、流木にたどり着いた可能性です。
説②:流木に元からいた。ただし煮沸を生き延びたことになるので、正直、考えにくい気もします。
真相は分かりません。ただ、ウィローモスは切れ端からでも増える丈夫な水草とされているので、うちとしては説①が有力だと思っています。2回追い返したはずのモスが、3回目は誰にも招かれず、勝手に住み着いた。そういうことになります。
増やし方・育て方:うちは何もしていません
「ウィローモスの増やし方」を調べると、糸や専用ネットで流木に巻きつける、細かく刻んで撒く、といった方法が出てきます。どれも正しいのだと思います。ただ、うちの実例はこうです。
| 巻きつけ | していません(勝手に付きました) |
|---|---|
| 肥料・栄養剤 | あげていません |
| モス用の世話 | 何もしていません |
| やったこと | 伸びたら刈る。以上です |
ただし、正直に書いておくべきことがあります。うちの水槽は、モスのために何もしていないだけで、環境自体は水草仕様です。照明2灯、CO2添加、ソイル。パールグラスとグロッソスティグマのために整えた環境が、たまたまウィローモスにも快適だった可能性は高いと思います。「何もしなくても増える」は、「環境が合っていれば」という前提つきです。
逆に言えば、水草が育つ環境なら、ウィローモスは特別扱いしなくても育つ、ということでもあります。うちが証拠です。
皮肉な話:糸で巻いたリシアは撤去、勝手に来たモスは定着
ここで、少し皮肉な話をさせてください。
うちの流木には以前、リシアを釣り糸で巻きつけて育てていました。手間をかけて、丁寧に固定して。ところがリシアはちぎれて増えて、グロッソスティグマに覆いかぶさり、ミナミヌマエビの隠れ家になって大繁殖の一因になり、結局撤去しました(リシアにはイトタヌキモが混入していた事件もあり、うちのリシアはなかなかの問題児でした)。
手をかけて巻いたリシアは、出ていってもらった。誰も呼んでいないウィローモスは、勝手に付いて、そのまま定着した。水草との縁は、思いどおりにならないものです。
「水草ギュウギュウの何が楽しいんじゃ」と言っていた男の水槽
白状すると、私はウィローモスを2回、追い返しています。
ボトルアクアリウム時代、妻が水草ビギナーセットを注文したことがありました。ピンポーンとAmazonさんが来て、CO2も照明も整っていないボトルに、水草だけが大量に届く。妻は「たくさんある方がいい!」と喜んでいましたが、私は30年前を知る身として、横目で「そりゃ環境が合わんと消えるよなあ」と眺めていました。実際、その頃のグロッソは消え、パールグラスは溶けました。メルカリのおまけでもらったウィローモスも、結局使いませんでした。
30年前の私は、熱帯魚屋さんで小分けに売ってくれる水草を、少ないお小遣いで買って、大切に増やすのが楽しみでした。パールグラスとグロッソスティグマに惚れたのもその頃です。だから36cm水槽を本気で組んだとき、妻には「諦めてください!しばらく好きにさせてください!」と頭を下げて、水槽はパールグラスとグロッソだけに絞りました。水草をギュウギュウに詰めて何が楽しいんじゃ、少数を綺麗に育てるんじゃ、と。
その原理主義の水槽に、ウィローモスは誰の許可も取らず住み着きました。そして今、私はそのモスを眺めながら「まあ、流木にモスは似合うしな」と思っています。負けた気がします。
ミナミヌマエビの隠れ家になる?うちの意外な観察結果

ウィローモスといえば「エビの隠れ家に最適」とよく言われます。うちがモスを警戒していた理由も、まさにそれでした。隠れ家が増えると、ミナミヌマエビがまた大繁殖しかねないからです。うちは2匹が50匹に増えた事件を経験しています。
ところが、観察してみると意外な結果でした。うちのエビたちは、モスよりグロッソスティグマとパールグラスの茂みにいることのほうが圧倒的に多いのです。稚エビの隠れ家も、もっぱらそちら。モスにもたまにいますが、人気物件というほどではありません。
おそらく、うちの場合は前景の茂みのほうが広くて深いので、そちらで足りているのだと思います。モスしか隠れ家がない水槽なら、話は違うのでしょう。とはいえ油断はできないので、モスがあまり茂らないよう、刈って管理しています。50匹事件の教訓です。
増えすぎ対策:伸びたら刈る。刈った分は捨てる
「ウィローモスはめんどくさい」という声も見かけます。トリミングの手間の話だと思いますが、うちの実感としては、放置水草としては最も手がかからない部類です。
発見から今までにやったのは、がっつりした刈り込みが2回程度。伸びてモシャモシャが過ぎるなと思ったら、ハサミで刈るだけです。パールグラスやグロッソのトリミングのついでに、モスも刈る。それで終わりです。
刈ったモスは、心苦しいですが捨てています。増やし方の記事では「刈った分を巻けばまた増やせる」とされていて、そのとおりなのだと思いますが、うちには予備の水槽がありません。増やす先がない以上、捨てるしかないのです。かつて私が「使いません」と追い返したモスの子孫を、今度は「増えすぎです」と刈って捨てている。モスに対して、うちは失礼な家だと思います。
よくある質問
ウィローモスは入れるだけ・そのまま沈めるだけで増えますか?
調べてみると、活着させなくても沈めておくだけで育つとされています。うちの場合は、入れてすらいないのに切れ端から流木に活着して増えたので、水草が育つ環境なら相当に丈夫だと思います。ただし形よく育てたいなら、巻いて活着させるのが確実なようです。
活着までの期間はどれくらいですか?
調べてみると、糸で巻いた場合の目安は2週間〜1ヶ月ほどとされています。うちは巻いていないので正確な活着日は分かりませんが、「何かついてる」と気づいてから誰が見てもウィローモスになるまでが約2ヶ月でした。
夏の高水温でも大丈夫ですか?
うちの水槽は今年の7月に30℃を経験しました。グロッソスティグマとパールグラスは明らかに弱りましたが、ウィローモスはむしろ元気で、刈ってもまた伸びるほどでした。少なくともうちでは、夏に一番強かったのはモスです。ただし高水温が推奨されているわけではないので、冷却はしてください。
ミナミヌマエビと相性はいいですか?
相性は良いとされていますし、害は何もありません。ただうちの観察では、エビたちはモスよりグロッソやパールグラスの茂みにいることのほうが多いです。エビの隠れ家が目的なら、モスにこだわらなくても、茂る水草なら何でも果たしてくれるというのが実感です。
お宅のウィローモスは、どの種類ですか?
断定はできませんが、通常のウィローモス(ジャワモス系)の可能性が高いと見ています。調べてみると、南米ウィローモスは三角形に枝分かれし、ウィーピングモスは下向きに垂れ、フレイムモスはねじれながら上に伸びるとされています。うちのは枝が細く不規則で、三角形の規則的な分岐が見られないので、消去法で通常種かなと。ただ、素性不明のモスなので、これ以上の断定はしません。種類の見分けについては、いずれ実物を見比べて、ちゃんと書きたいと思っています。
選んだ水草より、勝手に来た連中のほうが元気

うちの水槽を振り返ると、おかしなことに気づきます。
30年前から惚れ込んで、環境を整えて迎えたパールグラスとグロッソスティグマは、この夏、揃って調子を崩しました。一方で、リシアに混ざって勝手に来たイトタヌキモは何度抜いても生えてきて、缶詰から出てきたまりもは世話ゼロで10ヶ月元気で、そして誰も呼んでいないウィローモスは、煮沸済みの流木に活着して茂っています。
選ばれた水草が夏バテして、招かれざる連中が絶好調。水槽というのは、つくづく思いどおりにならない場所です。
でも、それでいいのだと思います。30年前、小分けの水草を大切に増やしていた中学生は、水槽を思いどおりにしたかった。今の私は、勝手に増えたモスを刈りながら、「まあ、流木にモスは似合うしな」と思っている。思いどおりにならないものを眺めるのが、案外いちばん楽しいのかもしれません。
※うちの水槽環境は運営者情報で公開しています。この流木のアク抜きの記録は流木のアク抜きを鍋で煮てやった話に、リシアとイトタヌキモの話はイトタヌキモの駆除記録に書いています。


